『普通に考えれば』が一番危ない。ビジネスを狂わせる脳のクセの話

「普通に考えれば、わかることだろ!」

私も心の中で、

こうツブやいてしまうことが、

よくあります。

 

「なんで、そんなこともわからないんだろう?」

「いやいや、普通に考えたら、こうでしょ?」

 

でも、あとから冷静になって振り返ると、

この「普通に考えれば」という言葉ほど、

危険なものはないな…とつくづく感じるのです。

 

今日はここから、

認知バイアスやダニング=クルーガー効果、

インポスター症候群、そして脳科学の視点を絡めて、

ビジネスがうまく回る「思考法」の話をしたいと思います。

 

 

こんにちは、やまとです。

 

「普通」は、誰の「普通」なのか?

カメラリセールのようなビジネスを

何年もやっていると、

 

・このコンディションなら、だいたいこの価格帯だろう

・このメーカーは今ちょっと動きが鈍いな

・このレンズは海外需要が強いから、時間がかかっても売れる

 

こういうことが、あえて言語化しなくても

“なんとなく”わかるようになってきます。

 

すると、初心者の質問や行動を見た時に、

「いや、それはさすがに、

普通に考えればわかるでしょう?」

 

と、つい思ってしまうわけです。

 

でも、よくよく考えると、

その「普通」は、自分が何年も積み上げてきた

経験や失敗の量に支えられた「普通」です。

 

・年齢も違う

・経験値も違う

・背負っているものも違う

 

そんな相手に対して

自分の「普通」を押し付けるのは、

かなり乱暴なことなんですよね。

 

ここで一度、立ち止まって考えたいのが、

「じゃあ、なぜ自分は

“普通に考えれば”と思ってしまうのか?」

 

という問いです。

 

 

脳には「認知バイアス」というクセがある

人間の脳には、

ものの見方や判断を歪ませる「認知バイアス」というクセ、

“思い込み”があります。

 

ざっくり言えば、

「いちいちゼロから考えるのは大変なので、

脳が省エネで判断するためのショートカット」

です。

 

このショートカット自体は悪者ではありませんが、

ときどき変な方向に働きます。

 

例えば、

・確証バイアス

→ 自分の考えを裏付ける情報ばかり集め、

それと反対の情報は無視してしまうクセ。

 

・正常性バイアス

→ 「まぁ大丈夫だろう」と、

本当は変えた方がいい現状を変えずに放置してしまうクセ。

 

・アンカリング

→ 最初に見た価格や情報に、

その後の判断が引きずられてしまうクセ。

 

「普通に考えれば、こうでしょ?」という一言の裏側には、

こうしたバイアスがいくつも絡み合っている可能性があります。

 

つまり、

「自分の見方が、標準で、正しくて、当たり前」

という前提に立ってしまっているわけです。

 

ここから先は、

心理学・行動経済学の一般的な話を

ビジネスの現場向けに私なりに整理したものです。

 

厳密な学術解説というより、

現場で役立つように噛み砕いた内容であり、

一部は私の経験に基づく推察も含みます。

 

 

ダニング=クルーガー効果:「わかってるつもり」が一番危ない

有名な現象に

「ダニング=クルーガー効果」というものがあります。

 

ざっくり言うと、

「スキルや知識がまだ浅い人ほど、自分を過大評価しやすい」

という人間のクセです。

 

少し成果が出ただけで、

・「だいたい仕組みはわかりました」

・「あとは作業するだけですよね」

・「なんで、みんなこれが出来ないんだろう?」

 

と、“わかった人”の顔をしてしまう状態です。

 

ここで、よく説明されるのが

「馬鹿の山 → 絶望の谷 → 啓蒙の坂 → 継続の大地」

というカーブです。

 

少しわかった気になって

自信だけが一気に跳ね上がるのが「馬鹿の山」。

 

そこから現実にぶつかり、

「自分は全然わかっていなかった…」「自分はできない。」

と自信が底まで落ちるのが「絶望の谷」です。

 

その谷の中で基礎を学び直し、

小さな検証と改善を積み重ねながら、

少しずつ理解が深まっていく道のりが「啓蒙の坂」。

 

そして、その先に

「特別なことはしていないのに、安定して成果が出る」

状態としての「継続の大地」が広がっている、

というイメージです。

 

これは、全くの初心者だけが

陥る「認知バイアス」ではありません。

 

ある程度経験を積んだ人でも、

いつでも陥る可能性があります。

 

数ヶ月、たまたま黒字が続いたことで、

・リサーチをサボり始める

・セラー研究をやめてしまう

・「自分のセンス」で仕入れをし始める

 

そして、調子に乗ったところで

ドカンと在庫を抱え込んでしまう…。

 

ここで重要なのは、

「なぜ売れたのか?」

を、いつでも説明できるかどうか、です。

 

・なぜ、その商品を選んだのか

・なぜ、その価格に設定したのか

・なぜ、他の商品より先に売れたのか

 

このあたりを

再現可能なレベルで言語化できていないうちは、

本当の意味で「わかっている」とは言えません。

 

にもかかわらず、

「普通に考えれば、これくらいは売れるでしょ」

と思った瞬間に、

ダニング=クルーガー効果の“馬鹿の山”を

スルスルと登ってしまうのです。

 

 

インポスター症候群:「自分なんて…」がブレーキになる

一方で、真逆の罠もあります。

 

それが「インポスター症候群」です。

 

こちらは、

「実績も能力もあるのに、自分を“偽物”だと感じてしまう状態」

です。

 

特に、40代・50代ぐらいになってくると、

 

・「自分なんかが今さら新しいことを始めていいのか」

・「若い人の方が詳しいし、早いだろう」

・「たまたま運が良かっただけで、自分の実力じゃない」

と、自分を過小評価してしまう人が

かなり多い印象があります。

 

その結果、

・新しいことに手が出せない

・人前で自分の経験を語れない

・せっかくの積み重ねを、活かしきれない

 

という、もったいない状態に陥ってしまう。

 

ここで面白いのは、

ダニング=クルーガー効果も、

インポスター症候群も、

見た目は真逆なのに、

どちらも「現実の自分を正しく見れていない」という点で

同じだ、ということです。

 

・「自分はわかっている」と過大評価するか

・「自分なんてまだまだ」と過小評価するか

 

方向は違っても、

どちらも「ズレた自己認識」から行動のブレーキがかかったり、

逆にアクセルを踏みすぎたりしてしまうのです。

 

 

なぜ人は「考えたくない」「変わりたくない」のか?

ここで少し、脳の話をします。

 

人間の脳には、大ざっぱに言えば、

・本能や感情を優先して、命を守ろうとする部分

・論理的に考え、計画を立てようとする部分

の両方があります。

 

未知のこと、

変化を伴うことは、

「危険かもしれない」

「エネルギーを使いそうだ」

と、脳が自動的に判断しがちです。

 

だから、

・新しいリサーチ方法を覚える

・数字を取って検証する

・過去の失敗を真正面から振り返る

 

こういった行動は、

どうしても「面倒くさい」「怖い」と

感じやすいのです。

 

これは意思が弱いからではなく、

脳の“省エネモード”が働いているだけ、

とも言えます。

 

だからこそ、

「気合いでなんとかする」ではなく、

「脳がサボりたがる前提で、行動の仕組みを作る」

という発想が大事になってきます。

 

 

ビジネスがうまくいく人の思考法:「普通」を疑う

では、ビジネスがうまくいく人は

何が違うのか?

 

これも、私が現場で見てきた中での

整理になりますが、

共通しているのは、

 

「自分の“普通”を疑うクセを持っている」

という点です。

 

「普通に考えればこうでしょ」

という一言で話を終わらせず、

「本当にそうだろうか?」

「他の見方はないだろうか?」

と、自分に問いを投げています。

 

 

例えば、

「売れない」と感じた時に、

「価格が高い」と決め打ちしない。

 

・出品ページ、タイトル、画像、商品説明は適切かどうか

・同じ商品、同じような状態で落札されているかどうか

・実際に、他のセラーがいくらで出品しているのか

と、一度分解して見る。

 

これは、いわば「商品管理」の話です。

 

 

「この価格差なら仕入れてOK」

と思った時には、

・その価格差が埋まってしまう要因は何か

・出品数やライバルセラーの状況はどうなっているか

・過去に似たパターンで失敗していないか

 

と、自分の感覚を

一度「検証台」に乗せる。

 

ここでポイントなのは、

感覚や直感を否定しているわけではない、

ということです。

 

経験からくる感覚は、むしろ最大の武器です。

 

ただし、そこに

・認知バイアス

・ダニング=クルーガー効果

・インポスター症候群

・脳の省エネ思考

 

こういった“クセ”が

必ず混ざっている前提に立つ。

 

そのうえで、

「これは、もしかしたら自分のバイアスかもしれない」

と、一度疑ってみる。

 

私が良くいう

「相場を覚えず、相場を常に調べるクセを持つ。」

というのは、

こういう所から来ています。

 

相場を全く覚えないのは

ナンセンスだとしても、

覚える以上に「調べること」が大事。

 

この「ひと呼吸」が、

長い目で見たときに大きな差になっていきます。

 

 

「普通に考えれば」を、「本当にそうか?」に変える

今日お伝えしたかったのは、

「普通に考えれば、わかるだろ!」

と感じたその瞬間こそ、

自分の脳を疑うタイミングだ、ということです。

 

・認知バイアス

・ダニング=クルーガー効果

・インポスター症候群

・脳の省エネモード

 

こうしたものはすべて、

「人間の頭は、思っている以上にクセだらけ」

という現実を教えてくれています。

 

だからこそ、

「普通に考えたら、こうでしょ?」

という一言を、

「本当にそうだろうか?」

「他の見方はないだろうか?」

という問いに

そっと置き換えてみてください。

 

その小さな問いの積み重ねが、

・思い込みに振り回されない判断力

・データと現実に根ざしたビジネスの感覚

・40代・50代からでもじわじわ伸びていく土台

 

を、少しずつ作っていきます。

 

私自身も、

つい「普通に考えれば…」と

言いたくなってしまう人間です。

 

だからこそ、

これからも自分の「普通」を疑いながら、

一緒に考え続けていけたらと思っています。

 

ということで、

今回は、ここまで。

それでは、また!

 

【追伸】

12月も

『売れる商品の見つけ方』WORKSHOP2025!を

開催します!

 

今年最後のWORKSHOPとなります。

 

来年に弾みをつけるためにも、

ぜひ参加をお願いします。

 

詳細は、決まり次第、

追って連絡します。

 

↓LINEの友達追加はこちら↓

友だち追加

https://lin.ee/zWqlEQY

↓ やまとのメルマガ、こちらをクリック ↓ 

#カメラ転売 #カメラリセールビジネス #物販 #転売

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

■2014年夏

ネットビジネス、カメラ転売に取り組む。

初月10万円

■2015年春

カメラ転売で月収100万円を超える。

カメラ転売に特化したスクール『カメラ転売クラブ』を開講。

■2017年夏

ゴールデンルールセミナーに登壇

■2018年冬

最高月収1600万円を達成

 

<プロフィール>

学生時代にバブル期を経験。

卒業後一部上場企業に就職。

結婚を機に地方の中小企業に転職。

人財開発室室長、各種リストラ案件の立て直し、新規事業の立ち上げ等々各種プロジェクトを成功させる。

 

2014年からネットビジネス、カメラ転売に取り組み、現在はカメラ転売に特化したスクール『カメラ転売クラブ』を主宰。

 

4人の子供のオヤジとして、日々中高年に向けて強烈なメッセージを発信している。

PAGE TOP